ユクが人間なら、あまり友達にはなりたくない。大変身勝手だからだ。これまでに何度もワンプロをして遊んでもらっていたお友達の犬に対して、急に冷たい態度を示し、俺そういう遊びは卒業したから、というような顔をすることがある。見ているこちらの腰が砕ける。 あ、大丈夫です。 数時間お留守番をした後、感動の再会がやってくるかと思いきや、ああお前か、帰ってきたのか、とふかふかベッドに横たわったまま、目線だけでご挨拶をする。世の中にはどこにでも着いてくる犬や、束の間離れていても、飛び跳ねて再会を喜ぶ犬もいるというのに。毎回、感動の再会をするのも大変だし大袈裟であるから、それはそれで良いのだが、もう少し愛想があっ…