それは年々感じていたことだった。 年末年始の挨拶は、昔はとてもシンプルで風情があった。 ところが、電子メールが登場して趣が変わった。 私もご多分に漏れず、それまでは年賀状だった。 プライベートでは、学生時代の友人中心に毎年恒例の年賀交換。 仕事では、創業した約30年前から、徐々に会社としての年賀状が増えていった。1年目などは、いまやほとんど記憶にないが、100通あったかないかではないだろうか。顧客開拓が何よりも優先で動いていた時期で、年賀が送れる事の喜びが勝っていた。 顧客が法人中心だったこともあって、年々年賀の数が増えてくる。1万枚が見えてきたころに、申し訳ないと思いながら、年賀状の送付先を…