青山真治の作品は、『Helpless』・『EUREKA ユリイカ』・『サッド ヴァケイション』の”北九州三部作”や『共喰い』、あるいは『チンピラ』や『WiLd LIFe』におけるヤクザとの闘争に巻き込まれることに象徴的なように「土着性」、「血縁」がどこまでも回帰することが一つの特質だと言えよう。 本作は、こうした青山の特質を切断している印象を与えるかもしれない。しかし、それは、本作においても連関している。冒頭において家族との離別理由が判明後も、「東京」という土地であれ、それはある種どこまでも逃げ場のないマンション内を、あるいは5インチ四方のスマホに表象されるInstgramを循環するように回帰…