外交にせよ、商談にせよ。まずふっかけてかかるのが交渉術の基本とされる。 過大な条件を突き付けて、そこから徐々に妥協点を探ってゆくのが即ち腕の見せ所であるのだ、と。 近年のサブカル界隈にもまま見られる描写であった。 有名どころでは『スターダストクルセイダーズ』が挙げられよう。パキスタンにて、ジョセフ・ジョースターがケバブを値切ったあの手際。店主の内心まで含め、ほとんどお手本のようだった。 (Wikipediaより、イスタンブールのドネルケバブ) しかしながら、すべてではない。 すべての商人、外交官が、常に如上のメソッドに則るわけでは、むろんない。 ときには敢えて真逆を行く者もいる。素人ではなく、…