旅かあ。永らくしてないなあ。 芭蕉の人生が幸福だったかどうか知らないないが、ここは一つ、芭蕉にあやかって、東北をぶらり旅するのも一考かもしれんな。でも、芭蕉みたいに、行く先々に金持ちの有名人がいるわけでもなし、きっと難儀する旅になるだろうなあ。 芭蕉のように博識があるわけでもなし、古の歌枕をめぐるにもその歌枕がどこにあるか知らない。 「蚤虱馬の尿する枕もと」。知っている句はこれだけ。それでも芭蕉が句に詠んだから観光客の目を引くようになったので、それまでは草茫茫の荒地だった、と思う。ほんと、ここを探すのに一苦労したもの。 【書】『おくのほそ道』48(飯坂1)(No.1,907) 「其夜飯塚にとま…