雑踏の中、―――そう、見知らぬひとたちが行き交う、その中に居る。ゆめ。そう、これはゆめ。ゆめのなかで、おれだけが立ち止まり、人の流れに眼を凝らす。 だけどどうして、 そんな風に立ち止まってしまうのかわからない。 けれど確かに、 なにかを探している。そんな気がする。ゆめを、―――夢をみているって知っている。わかっている。けれど。 それがなんなのかわからない。 なにを? ―――なにを? おれは、・・・・・・ねぇ? 探している気がする。夢のなかで探しているずっと、 なにを? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰れを? 〈fragment〉 時折過る、音の欠片。 きんいろのひ…