何もない私の、過去に嬉しかった話。今こんなに自己肯定感が低くても、あの頃は確かに瞬間誇らしかった話。人の呟きを見て、ふと思い出したの。 小学生の頃、年の離れた姉の学校の文化祭で、「誰でも自由にどうぞ」と掲げられたお絵かきコーナーがあって、壁に貼られた大きな紙のど真ん中に、自分の手のひらくらいのお馬さんを描いた。描き終わって、少しモジモジしながら親の元に戻りこっそり振り返ると、その学校か他所の学校かの生徒さん―姉と同学年くらいのお姉さん達が、そのお馬さんを指差して言った。「これかわいいねー」「えっほんとだこれかわいー」その時の嬉しくて少し恥ずかしくて、でも“ありがとう”という気持ち、今でも覚えて…