ミュージカルの歴史について、音楽社会学の観点から、つまり、興行的側面や音楽産業、当時のテクノロジーとの関わりから見ていく本だが、サブタイトルに「なぜ突然歌いだすのか」とあり、これはミュージカルという形式が、歌と台詞・音楽と物語をどのように「統合」しようとしたのか、という美学的な観点も同時に持っている本である。 どうあるべきか、という理念が一方でありつつも、ミュージカルというのは大衆文化・娯楽であって、その有様は商業的な理由によって決まっていくところも多い。本書は、ミュージカルとはそういうものである、というのを要所要所で確認しながら進んでいく。 imdkmさんによる書評を読んだのが、興味を持った…