著者: 藤田素子
「額田王」のマンガのコマをアルで探す
万葉歌人。七世紀後半のひと。 日本書紀によれば、大海人皇子(天武天皇)との間に十市皇女をもうけた。後に大海人皇子の兄の天智天皇に寵愛をうけたとも言われるが、詳しいことはわかっていない。 「あかねさす紫草野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」や 「熟田津に船乗りせむと月待てば 潮もかなひぬいまは漕ぎいでな」が有名。
🌸🎼 湖底のUndine written by Ryo Lion🌸 「ますますごりっぱにお見えになる。 あらゆる幸福を御自分のものにしていらっしゃったころは、 ただ天下の第一の人であるだけで、 それだけではまだ人生がおわかりにならなかったわけで、 ごりっぱでもおきれいでも、 正しい意味では欠けていらっしゃるところがあったのです。 御幸福ばかりでなくおなりになって、深味がおできになりましたね。 しかしお気の毒なことですよ」 などと老いた女房が泣きながらほめていた。 中宮もお心にいろいろな場合の過去の源氏の面影を思っておいでになった。 【源氏物語 第十帖 賢木 さかき】 正妻の葵の上が亡くなった。…
訓読 >>> 111いにしへに恋(こ)ふる鳥かも弓絃葉(ゆづるは)の御井(みゐ)の上より鳴き渡り行く 112古(いにしへ)に恋ふらむ鳥は霍公鳥(ほととぎす)けだしや鳴きしわが念(おも)へる如(ごと) 113み吉野の玉(たま)松が枝(え)は愛(は)しきかも君が御言(みこと)を持ちて通はく 要旨 >>> 〈111〉過ぎ去った昔を恋い慕う鳥なのでしょうか。弓絃葉の御井の上を鳴きながら大和の方へ渡っていきます。 〈112〉あなたが「昔を恋い慕う」とおっしゃる鳥は、ホトトギスでしょう、おそらくそのホトトギスが鳴いたのでしょう、私が昔を恋い慕うように。 〈113〉吉野の松の枝の愛しいこと、あなたのお言葉も…
訓読 >>> 莫囂円隣之大相七兄爪謁気 我が背子がい立たせりけむ厳橿(いつかし)が本(もと) 要旨 >>> ・・・・・・愛するあなたが立っていた、山麓の神聖な樫の木のもと。 鑑賞 >>> 額田王(ぬかだのおおきみ)の「紀の温泉に幸せる時に、額田王の作る」歌。ただし、原文の「莫囂圓隣之大相七兄爪謁氣」の部分は『万葉集』の中でもっとも難読とされ、未だに定訓がありません。従って意味も不明です。 読めない『万葉集』 万葉仮名で書かれた『万葉集』の歌の解読は、天暦5年(951年)に村上天皇の詔により、清原元輔、紀時文、大中臣能宣、坂上望城、源順ら5人(後撰集の撰者)によって始められました。それ以後、研究…
訓読 >>> 17味酒(うまさけ) 三輪(みわ)の山 あをによし 奈良の山の 山の際(ま)に い隠るまで 道の隈(くま) い積もるまでに つばらにも 見つつ行かむを しばしばも 見放(みさ)けむ山を 情(こころ)なく 雲の 隠さふねしや 18三輪山をしかも隠すか雲だにも情(こころ)あらなも隠さふべしや 19へそかたの林の先のさ野榛(のはり)の衣(きぬ)に付くなす目につくわが背(せ) 要旨 >>> 〈17〉なつかしい三輪の山よ、あの山が奈良山の山の間に隠れてしまうまで、道の曲がり角が幾重にも重なるまで、よくよく振り返り見ながら行きたいのに、何度でも望み見たい山なのに、無情にも雲がさえぎり隠してよ…
授業の脱線シリーズも結構な分量になってきて、我ながら決して受験には出ないようなことばかり、まぁぐだぐだと随分語ってきたのものだと、改めて呆れてしまいます。でも脱線はまだまだ続きます。(おいおい) さて、前回は正岡子規や石川啄木の名前に関しての雑談を載せましたが、教科書の教材の短歌「紅の二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる」について、解説文では助詞の「の」の繰り返しが生み出すリズムの良さについて説明されています。 薔薇のとげを「針」と表現し、「針やはらかに」と続けたところが巧みです。新芽のとげのみずみずしく柔らかな様子が伝わってきます。「くれなゐの」「薔薇の芽の」「春雨の」と、助詞「の」…
―その1863― ●歌は、「児毛知山若かへるでのもみつまで寝もと我は思ふ汝はあどか思ふ」である。 松山市御幸町 護国神社・万葉苑(28)万葉歌碑<プレート>(作者未詳) ●歌碑(プレート)は、松山市御幸町 護国神社・万葉苑(28)にある。 ●歌をみていこう。 ◆兒毛知夜麻 和可加敝流弖能 毛美都麻弖 宿毛等和波毛布 汝波安杼可毛布 (作者未詳 巻十四 三四九四) ≪書き下し≫児毛知山(こもちやま)若(わか)かへるでのもみつまで寝(ね)もと我(わ)は思(も)ふ汝(な)はあどか思(も)ふ (訳)児毛知山、この山の楓(かえで)の若葉がもみじするまで、ずっと寝たいと俺は思う。お前さんはどう思うかね。(…
●歌は、「熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな」である。 松山市御幸町 護国神社・万葉苑万葉歌碑(額田王) ●歌碑は、松山市御幸町 護国神社・万葉苑にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「額田王歌」<額田王が歌>である。 ◆熟田津尓 船乗世武登 月待者 潮毛可奈比沼 今者許藝乞菜 (額田王 巻一 八) ≪書き下し≫熟田津(にきたつ)に船(ふな)乗(の)りせむと月待てば潮(しほ)もかなひぬ今は漕ぎ出(い)でな (訳)熟田津から船出をしようと月の出を待っていると、待ち望んでいたとおり、月も出(で)、潮の流れもちょうどよい具合になった。さあ、今こそ漕(こ)ぎ出そうぞ。(「万葉集 一…
―その1832― ●歌は、「熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな」である。 松山市梅田町 松山梅田町郵便局万葉歌碑(額田王) ●歌碑は、松山市梅田町 松山梅田町郵便局にある。 ●歌をみていこう。 題詞は、「額田王歌」<額田王が歌>である。 ◆熟田津尓 船乗世武登 月待者 潮毛可奈比沼 今者許藝乞菜 (額田王 巻一 八) ≪書き下し≫熟田津(にきたつ)に船(ふな)乗(の)りせむと月待てば潮(しほ)もかなひぬ今は漕ぎ出(い)でな (訳)熟田津から船出をしようと月の出を待っていると、待ち望んでいたとおり、月も出(で)、潮の流れもちょうどよい具合になった。さあ、今こそ漕(こ)ぎ出そう…
葉流座 紫もゆ 学園前アートフェスタ2022の最終日、学園前ホール主催公演として葉流座が演じました。中橋怜子の語り背景の墨絵を担当しました。 紫もゆ 紫もゆは万葉の時代、額田王と天智天皇の恋のお話。月の墨絵にライトをあてたとき、前日の皆既月食を彷彿させるようなビジュアルが生まれました。 藍の風ふく 二話目、藍の風ふくでは墨のパフォーマンスをせずに、舞台に流した青の蚊帳生地を二人でゆらゆらと・・・。 屋内だったので藍の風が吹いたかどうか。シンプルなそぎ落とされた舞台道具をうまく照明で浮き上がらせていただき、感謝です。
訓読 >>> 488君待つと我(あ)が恋ひをればわが屋戸(やど)のすだれ動かし秋の風吹く489風をだに恋ふるは羨(とも)し風をだに来(こ)むとし待たば何か嘆かむ 要旨 >>> 〈488〉あの方がいらっしゃるのを待って恋い慕っていると、私の家の戸口のすだれを動かして、ただ秋風が吹くばかり・・・。 〈489〉風が吹くだけでいらっしゃったのかと思うほど待ち焦がれるなんてうらやましい。風にさえそう思えるのなら、何を嘆くことがありましょうか。待つ人がいない私はもっと辛いのに・・・。 鑑賞 >>> 風を題材にした優雅な恋の歌です。488は、額田王(ぬかたのおおきみ)が天智天皇を思い慕い、天皇の訪れがないの…
R5.5.16 参加者6名 今年2月に計画されたが、強い寒波の到来で中止となり、今月の行事に計画された。5月中旬ながら、最高気温20℃と6月下旬並みの予報が出ている。歩む会では6年ぶりの大津の歴史散策行事。JR大阪駅9:30集合、新快速野洲行きに乗車、9:45京都駅で湖西線近江舞子行に乗換。大津京駅10:37着。 駅前の小さな広場に歌碑がある。ここで水本さんから大津に置かれた近江大津宮設営の背景についてについて説明された。 朝鮮半島諸国の交戦が拡大し、百済と友好関係にあったわが国にも影響する恐れがあり、大和から壱岐・対馬・筑紫にかけ国防の拠点を築く。667年天智天皇は飛鳥から近江に遷都された。…
福岡県は、犬養 孝著「万葉の旅 上・中・下」平凡社ライブラリーの「万葉歌所出地名分布の表」では、全国で6番目になっている。 ちなみに順位をみてみると、奈良県(897)、大阪府(218)、滋賀県(145)、兵庫県(142)、富山県(140)、福岡県(129)である。(歌、題詞、左注の地名数の計) 福岡県の万葉歌碑については、福岡県1⃣京都郡みやこ町、2⃣北九州市<1>、3⃣北九州市<2>・宗像市・福岡市、4⃣太宰府市(1)、5⃣太宰府市(2)、6⃣太宰府市(3)の順で紹介していきます。 福岡県京都郡(みやこぐん)みやこ町の豊前国府跡公園の万葉歌の森には、万葉歌碑が10基立てられている。主な歌碑を…
■愛媛県西条市下鳥山櫟津岡 飯積神社万葉歌碑(巻十六 三八二四)■ 愛媛県西条市下鳥山櫟津岡 飯積神社万葉歌碑(長忌寸意吉麻呂) 20220922撮影 ●歌をみていこう。 標題は、「長忌寸意吉麻呂歌八首」<長忌寸意吉麻呂(ながのいみきおきまろ)が歌八首>であり、三八二四~三八三一歌の歌群となっている。 ◆刺名倍尓 湯和可世子等 櫟津乃 檜橋従来許武 狐尓安牟佐武 (長忌寸意吉麻呂 巻十六 三八二四) ≪書き下し≫さし鍋(なべ)に湯沸(わ)かせ子ども櫟津(いちひつ)の檜橋(ひばし)より来(こ)む狐(きつね)に浴(あ)むさむ (訳)さし鍋の中に湯を沸かせよ、ご一同。櫟津(いちいつ)の檜橋(ひばし)…
訓読 >>> 13香具山(かぐやま)は 畝火(うねび)を愛(を)しと 耳梨(みみなし)と 相(あひ)あらそひき 神代(かみよ)より 斯(か)くにあるらし 古昔(いにしへ)も 然(しか)にあれこそ うつせみも 妻(つま)を あらそふらしき 14香具山(かぐやま)と耳梨山(みみなしやま)とあひしとき立ちて見に来(こ)し印南国原(いなみくにはら) 15わたつみの豊旗雲(とよはたぐも)に入日(いりひ)さし今夜(こよひ)の月夜(つくよ)あきらけくこそ 要旨 >>> 〈13〉香具山は、畝火山を愛して耳梨山と争った、神代からそうであったらしい、昔からそうであったのだから、今の世においても人々は妻を争うのだろ…
2334、風土の万葉「藤原宮御井歌」の東西南北の山 1-52 藤原宮御井歌八隅知之 和期大王 高照 日之皇子 麁妙乃 藤井我原尓 大御門 始賜而 埴安乃 堤上尓 在立之 見之賜者 日本乃 青香具山者 日経乃 大御門尓 春山跡 之美佐備立有 畝火乃 此美豆山者 日緯能 大御門尓 弥豆山跡 山佐備伊座 耳為之 青菅山者 背友乃 大御門尓 宣名倍 神佐備立有 名細 吉野乃山者 影友乃 大御門従 雲居尓曽 遠久有家留 高知也 天之御蔭 天知也 日之御影乃 水許曽婆 常尓有米 御井之清水〔短歌略〕 八隅知し わご大王 高照らす 日の皇子 あらたへの 藤井が原に 大御門 始め賜ひて埴安の 堤の上に あり立…
ども。coltです。 いつも読んでいただきありがとうございます😊 本日のお題 【進撃の巨人】コラボ第2弾開催決定!!火属性獣神化【エレン・イェーガー】のキャラ考察。 【進撃】コラボ第2弾が開催中!! 2023年4月29日付モンストニュースにて詳細が発表となりましたが www.youtube.com 今年の大型連休で開催されるコラボは 【進撃の巨人】第2弾 となりました!! ここにきて進撃コラボとは!! 第1弾のキャラは既に完成されたような高性能キャラだったので、今回の獣神化・改でどれだけ磨きがかかってくるのが楽しみでなりません。 火属性獣神化・改【エレン・イェーガー】登場!! 進撃の巨人 エレ…
■滋賀県近江八幡市沖島町 沖島コミュニティセンター前万葉歌碑(巻十一 二四三九)■ 滋賀県近江八幡市沖島町 沖島コミュニティセンター前万葉歌碑(柿本人麻呂歌集)20220623撮影 ●歌をみていこう。 ◆淡海 奥嶋山 奥儲 吾念妹 事繁 (柿本人麻呂歌集 巻十一 二四三九) ≪書き下し≫近江(あふみ)の海(うみ)沖(おき)つ島(しま)山(やま)奥(おく)まけて我(あ)が思(も)ふ妹(いも)が言(こと)の繁(しげ)けく (訳)近江の海の沖つ島山ではないが、奥の奥かけて私の思うあの子なのに、人の噂の絶えることがない。(「万葉集 三」 伊藤 博 著 角川ソフィア文庫より) (注)上二句は序。「奥まけ…
■滋賀県東近江市糠塚町 万葉の森船岡山山頂付近万葉歌碑(巻一 二〇、二一)■ 滋賀県東近江市糠塚町 万葉の森船岡山山頂付近万葉歌碑(額田王、大海人皇子) 20191023撮影 同歌の歌碑は、滋賀県東近江市糠塚町 万葉の森船岡山 蒲生野狩猟レリーフ横にもある。 滋賀県東近江市糠塚町 万葉の森船岡山 蒲生野狩猟レリーフ横万葉歌碑(額田王、大海人皇子) 20191023撮影 ●額田王の歌をみていこう。 題詞は、「天皇遊獦蒲生野時額田王作歌」<天皇(すめらみこと)、蒲生野(かまふの)の遊狩(みかり)したまふ時に、額田王が作る歌>である。 (注)天皇:天智天皇 (注)蒲生野:琵琶湖東南、蒲生郡安土町付近…
ども。coltです。 いつも読んでいただきありがとうございます😊 本日のお題 【進撃の巨人】コラボ第2弾開催決定!!火属性獣神化【エレン・イェーガー】のキャラ考察。 【進撃】コラボ第2弾がやってくる!! 2023年4月29日付モンストニュースにて詳細が発表となりましたが www.youtube.com 今年の大型連休で開催されるコラボは 【進撃の巨人】第2弾 となりました!! ここにきて進撃コラボとは!! 第1弾のキャラは既に完成されたような高性能キャラだったので、今回の獣神化・改でどれだけ磨きがかかってくるのが楽しみでなりません。 火属性獣神化・改【エレン・イェーガー】登場!! 進撃の巨人 …
滋賀県は、(1)大津市・草津市・湖南市、(2)東近江市・蒲生郡・彦根市、(3)米原市・長浜市、(4)高島市の4つのエリアに分け、(1)から(3)エリアはそれぞれ2回に分けて紹介してまいります。 ■滋賀県大津市 大津市役所 正面横時計台下万葉歌碑(巻一 三一)■ 滋賀県大津市 大津市役所 正面横時計台下万葉歌碑(柿本人麻呂) 20191009撮影 ●歌をみていこう。 ◆左散難弥乃 志我能<一云比良乃> 大和太 與杼六友 昔人二 亦母相目八毛<一云将會跡母戸八> (柿本人麻呂 巻一 三一) ≪書き下し≫楽浪(ささなみ)の志賀(しが)の<一には「比良の」といふ>大わだ淀むとも昔(むかし)の人にまたも…
■宇治市伊勢田町 砂田第一公園万葉歌碑(巻九 一六九六)■ 宇治市伊勢田町 砂田第一公園万葉歌碑(作者未詳 新碑) 20200527撮影 この歌碑の隣には旧碑が立てられている。 砂田第一公園万葉歌碑(作者未詳 旧碑) 20200527撮影 ●歌をみていこう。 ◆衣手乃 名木之川邊乎 春雨 吾立沾等 家念良武可 (作者未詳 巻九 一六九六) ≪書き下し≫衣手(ころもで)の名木(なき)の川辺(かはへ)を春雨(はるさめ)に我(わ)れ立ち濡(ぬ)ると家思ふらむか (訳)肌着が泣きの涙で濡れるという名木の川の辺、この川の辺で私が春雨に濡れてしょんぼり立っていると、家の人は思っていてくれるだろうか。(伊藤…
〇大海人皇子 (?~686) 第40代天皇。天武天皇。舒明天皇と皇極天皇(のち斉明天皇)の子。中大兄皇子(天智天皇)の弟。妻は鵜野皇女(のちの持統天皇)。兄の死後、大友皇子との壬申の乱に勝利し即位した。飛鳥浄御原宮を作り、八色の姓を制定した。飛鳥浄御原令、藤原京、『古事記』『日本書紀』の編纂などに取り掛かったが、いずれもその完成は妻の持統天皇の時代となった。「天皇」を称号とし、「日本」を国号としたされる。 <大海人皇子像> 場所:雪野山大橋西欄干(滋賀県蒲生郡竜王町川守) 竣工: 像高: 作者: 撮影時:2012年4月29日 説明:像の下には、『万葉集』の「紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻故に…