しかし 僕は かへつて来た おまえのほとりに 草にかくれた小川よ またくりかへして おまへに言ふために だがけふだつて それはやさしいことなのだ と 今週の月曜日、梅雨明け直前の祝日の午後のこと。もうそろそろかな、と思わせるような日差しが少しずつ勢いを増し、夏の香りを含んだ風が開け放した窓を通り抜けていた。からっとして気持ちのいい風だった。しかし天気予報では雨の心配をしている。九州北部の豪雨はまだまだ予断を許さない状況だった。また明日から梅雨空に逆戻りなら、せめて気持ちのいいこの風を、少しばかり楽しんでいようか、などと思いつつ、頬に風を感じながら頭に浮かんできたのがこの一節。立原道造の詩、「風…