―― 鈴と祥瓊は、なぜ未来を描けなかったのか 小野不由美さんの『風の万里 黎明の空』(『十二国記』シリーズ)を読んでいると、物語の前半に登場する鈴や祥瓊(しょうけい)に対して、強い苛立ちを覚えることがあります。 鈴は周囲への不信と怒りに満ちています。祥瓊は理不尽な現実への不満と、自分を理解しない他者への憤りを抱えています。 読者の視点から見れば、 「被害者意識が強すぎるのではないか」「もっと自分を客観視できないのだろうか」と思ってしまう場面も少なくありません。 しかし、キャリアコンサルタントの視点でこの物語を読み返すと、少し違った景色が見えてきます。 私には、前半の二人が「未来を描けない人」の…