以前話題になっていて気になっていた本『平場の月』(朝倉かすみ・著)を、友人が貸してくれたので読んでみた。 「平場」とは、一般的な場所のことだそうだ。 あらすじ 主人公は50歳の青砥健将と須藤葉子。 作品舞台は埼玉県西部の朝霞で、二人は中学時代3年間クラスメートであり、今もこの辺りに住んでいる。 離婚経験もあり、今までの人生で酸いも甘いも知り尽くして来たような二人。 経済的にもそれぞれ精一杯のところで踏ん張っている。 青砥は須藤に中学時代ほのかな恋心を抱いて、告白して振られたことがある。 ある日、青砥健将が健康診断での生検の結果を訊きに訪れた病院の売店で、須藤葉子とばったり再会する。須藤はこの病…