『飯田文香』は「あいおいニッセイ同和損保奨励賞受賞作家」と冠されており、自分の訪問当日は丁度滞廊中、来場者と親しげに言葉を交わしている。 プロフィールにある過去の受賞歴を見ると、その多くは訪問した記録があるものの、作品の記憶はとんとなく。 改めて大作の画面に向き合えば、鮮やかな花が咲き乱れ、一方で場違いな文物が組み合わされ、幽玄な美が一面に押し寄せる。 夫々のパーツは現実なのにそれが合わさった時に非常の世界が紡がれる。 なまじ描写が精緻なだけに、その遊離した感覚は尋常ではない。 会期は~10月31日(日)まで。