ヨーロッパやモンゴルなど、使役動物である馬を食用にする地域は世界にはよく見られますが、食用に家畜を飼育するという習慣が基本的になかった江戸時代の日本には、使役動物である牛や馬も食べるという感覚もなかったと思われます。 ハリスは1857年8月、あまり上手な乗り手でなかったヒュースケンの馬の肩骨が外れてしまったとき、日記の中で『私はその哀れな獣を屠殺するように命じたが、誰も屠殺者の役目をひきうけるものがなかった。わたしは最後の拳銃をも手放してしまっていたので、それを射殺することができなかった。そうかと云って、屠殺者のように馬の咽喉を自分で切ることもできなかった。ついに、ひじょうに幸運にも、わたしは…