「私の1960年代」山本 義隆 <所感> 1990年の後半に駿台予備校 お茶の水校3号館で浪人時代を過ごした。 物理の講師はいつもシャツを古びれジーンズにタックインしている人だった。 その浪人時代の最後の授業のときその人はこういった。 「大学に入ったらある学問を学ぶのではなく、その学問の領域を広げてください」 浪人時代から数年経ち、その先生が元東大全共闘代表だったこと知る。 その名は山本義隆。 最もまだ学生運動が何たるかを知らなかった。 本書では1960年代のど真ん中を歩んだ山本先生(敢えて「先生」と呼ぶ)が丹念に集めた当時の資料をベースに振り返っている。 また、その思想から科学技術(特に原子…