私は大人になるまでお茶の水のニコライ堂のそばの病院に定期的にお世話になっていました。ニコライ堂のあるあたりを駿河台といい、駿河台からゆるい坂を下るってゆくと駿河台下という名のついた交差点があります。 その駿河台下の交差点には三省堂書店という本屋があり、紅顔の美少年…じゃねえ、どってことない少年が、眼科の診療のあとによく吸い寄せられていました。鉄道に興味があったので最初は鉄道関係の、次いで宇宙関係に興味があったので宇宙関係の書籍のある棚を見つけ、しかしそれらの本を買えるほど無尽蔵にお小遣いがあるわけではありませんから・治療が予想外の費用になることを考えて多めの現金を渡してもらってましたがそれを流…