M.Cエッシャー『昼と夜』 (約1600文字・購読時間2分00秒) M.C.エッシャーのリトグラフ《物見の塔》(1958年 462x295mm イスラエル博物館所蔵)、同じく、リトグラフ《滝》(1961年 380x300mm イスラエル博物館所蔵)が制作された時代は伝統的な絵画表現から離れて、新たな表現手法が多数生まれた時代である。 1960年前後は、抽象表現主義や構成主義といった、従来と全く異なった芸術形態がヨーロッパ中で進展し始めた時期だった。キネティックアートは計算不能な偶発的な動きである自然の風力など自然の力によるもの、人力によるもの、作家によって計算された電力や磁力によるもの、物理的…