有名な草津温泉の「湯もみ唄」の一節である。 「お医者様でも草津の湯でも惚れた病はなおりゃせぬ」 草津の湯はまことに効能芳しく、万病に効き、恋の病でもない限りはいずれも治癒、快癒させるほどの力がそなわっている旨を唄っている。 江戸時代、物見遊山の旅が庶民の娯楽にまでひろがると、「温泉番付」なるものが市中に現れはじめた。 相撲の番付にならい、各地の温泉の「効き目」をランク付けする。 大関を最上位として(当時、元となる相撲番付に横綱は無かった)、順位を定め、木版刷りしてこれを発表した。 番付は、相撲のものとは違い、小さな例外はあるものの、実際に東日本にある温泉を「東」、西日本に湧く温泉を「西」と別け…