「そう言う割には、五月女、その格好、気合い入ってるよな」 そうなのだ。僕が言い出せなかったこと。 真冬の屋外なのに、まつりは白いショートパンツ。 太ももが露わ。普段は、制服の膝丈スカートで隠れている部分だ。 「やだ、もっちー、大熊がいやらしいこと考えてる」 「あ、あほー。ちゃうわ」 大熊が取り乱す。もっちーは無表情。 「ちゃう、ってんだろ」 関西弁と江戸っ子が混ざる大混乱。大熊、バカだなと思ってたら、 もっちーが僕に振ってきた、いきなりだ。 「まつりの脚、きれいだね、田辺君」 まつりが、僕を見る。 「え、ええ、そうだね」 そう答えるしかないじゃないか。 大熊が「おうおう、恥ずかしげもなく」と言…