1896年(明29)6月~12月 雑誌「人情世界」連載、日本館本部発行。 (なまくびおせん)古書界では稀覯本とされる明治中期の娯楽文芸誌「人情世界」の創刊時からの連載小説の一つである。作者の恋菊園主人(れんぎくえん)はこの雑誌の主筆高橋翠葉(すいよう)の変名と推定される。しかし生没年は不詳。(残念ながら創刊号のみ欠落しているので、第2号から読み始めた)怪談まがいのタイトルだが、芸者揚がりで男爵の愛妾となった熊田お仙の腕に生首の刺青が施されていたことに由来する。お仙は情夫を男爵家の家扶として潜り込ませ、その手下たちを使って謀殺事件やら財産横領を画策する。探偵実話としているが、実話を脚色して書いて…