世間はWBCで大盛り上がりの中、歌舞伎座一部を観劇。コロナもマスク規制が緩和され、ようやく日常が戻って来た感がある。そのせいだろうか、平日の昼間にも関わらず八分以上の入り。團十郎襲名公演は別格として、平日これだけの入りはコロナ以降中々なかった事。筆者は松竹の関係者ではないので入りを心配する必要はないのだが、やはり入りがいい方が舞台も盛り上がると云うもの。まずはめでたい限り。 第一部は通し狂言で『花の御所始末』の一狂言のみ。昭和の黙阿弥と云われる大劇作家宇野信夫が、当時の染五郎、現白鸚に当て書きしたもの。初演は三田佳子を始めとした女優陣と共演しているので、元々が歌舞伎ではない。それを再演時に歌舞…