めっちゃおもしろい。『魔性の子』に続く『月の影 影の海』上下を一緒に買っておいて正解だった。すぐに次が読みたくなり、読み始めると止まらないやつ。後書きで菊地秀行さんや北上次郎さんも絶賛しておられたので、我が意を得たりとうれしい。面白い本は後書きも良いのだ。 さて、『魔性の子』。これは変則のいじめの物語だ。母校に教育実習生としてやってきた広瀬は自分の指導教官の受け持ちクラスにいた高里に違和感を覚える。高里はどこか自分と同じ匂いがした。学校にもクラスにもなじめない性格、それだけではない不思議な孤独を高里はまとっていた。 クラスの子たちは直接彼をいじめるのではなく無視するのでもなく遠巻きにして、いな…