炉端で焼かれた “鮭ハラス” の脂がジジジッと音を立てている。タルタルソースの薄い紫は “しば漬け” だ。その上に艶のある “いくら” をのせて親子になっているね。この変り種で、遊び心があって、見目麗しい逸品に脱帽だ。脂がのったハラスにほどよい酸味と清涼感があるしば漬けのタルタルが絶妙、時おりいくらのぷちぷちとした食感を挟んで楽しい。これっ、この秋一番の肴だと思う。 色付いた紅葉と銀杏のあいだに金色の中秋の名月が昇って “天明 秋あがり 生純吟” のラベルに卓が華やぐ。美山錦を醸した会津坂下の酒は、爽やかな甘酸っぱさを感じる純米吟醸だ。“鮭ハラスのタルタル” に寄り添って、この優しい酒が嬉しい…