Keywords: 赤い点々を打った測量旗,アスパラガス,文学と植物のかかわり,五輪塔,河原なでしこ,かはらははこぐさ,絹で包んだ苹果,にはとこのやぶ,鳥の押し葉,鳥を捕る人,瓜に飛びつく人達, 童話『銀河鉄道の夜』は,「ほんたうのさいはひ」が何かを探す物語である。総集編Ⅰ(石井,2020)で賢治が「ほんたうのさいはひ」は「ほんたうの考え」と「うその考え」を見分けて宗教と科学を同じにさせることで見つかるということを信じていたということを報告した。これがこの物語の主旨でもあるが,この考え方は,物語に登場する「三角標」などの難解な用語を植物によって読み解くことによって明らかにされた。 本稿では,植…