1997年1月31日、一つのサッカークラブが終焉を迎えた。本拠地となるスタジアムのこけら落としから、わずか7カ月と15日後のことだった。 1996年、佐賀県鳥栖市をホームタウンとして日本フットボールリーグ(JFL)に所属し、Jリーグ入りを狙っていた「鳥栖フューチャーズ」は、3年連続4位に終わって昇格を逃した。そしてリーグ戦終了後となる1996年11月27日、メインスポンサーが突然撤退を発表。一気に経営危機に陥った。 問題が発覚した後、佐賀の政財界はそれぞれの立場で地元の人たちは存続に向けて動いた。だが急に代わりは見つからない。あるとき「新規スポンサーになる」という人物が現れ、Jリーグも対応のた…