夢を見た。 黒煙の中にいるかのように、歩いても歩いても視界が悪く、自分の足元でさえ見えない。 息苦しく、酸素を求めて深呼吸をしたいのに、刺激臭の臭いで、それもできずにいた。 自分がどこへ向かって歩いているのかもわからず、時々、黒煙が薄まる箇所はあっても、そこには深緑色のモヤがかかっている状態で、結局、何も見えない。 周りに人の気配やうめき声のようなものはするが、歩いても歩いても誰にも会わない状態が続いていた。 突然、煙やモヤが消え、目の前に石垣があることに気づいた。 その石垣の上には、大きな緑色の筒が空に向かってそびえ立っていた。 筒の先端に、鳳凰(ほうおう)がいた。 やがて羽を広げ、上空を優…