1.0むかしから教職の欠点として「社会経験がない」ことがしばしば指摘される。日本では義務教育→教育学部を経て、エスカレーター式に「先生」になれてしまう。かれらのほとんどが働いたことがない。働いたことがないひとが、青少年を教育する──わけであって、どういうことが起こるか、推して知るよりまえに、日毎ニュースにて、教職者のさまざまな様態が世間を賑わしている。 日本の新進の映画監督にも、おなじことが言える。大学もしくは専門学校で、映画を専攻し、どこかの監督に師事して、何かのアワードで賞をとる。天才ともてはやされて劇場公開作をつくる。数年後、誰も覚えていない。拙作が積み重なる。その繰り返し。映画の勉強を…