知人から推薦されて、ベンヤミン著・鹿島徹訳『[新訳・評注]歴史の概念について』(未来社、2015)を読んでいます。まだ途中ですが、深い感銘を受けております。折角なので、このブログでも簡単に紹介していきます。 この本は、ベンヤミンに初めて触れる私のような人にも分かりやすい構成になっており、まず「イントロダクション」で当時の時代的な状況と、ベンヤミンの生涯の紹介がなされます。ここで合わせて、『歴史の概念について(歴史哲学テーゼ)』のテキストについて文献学的な解説がなされているのも安心します。 ユダヤ人であるベンヤミンは、ナチズム支配下のドイツで追われる身となり、パリに逃亡し、ドイツ軍がパリに侵攻す…