八坂神社のすぐ近くに聳える伊東忠太の「祇園閣」。このコンクリート塔がもつ不気味に異形な魅力についてはすでにふれました。祇園閣を建てた明治の大実業家・大倉喜八郎は、おそらく洒落のつもりで言ったのでしょうが、この銅の屋根を持つ望楼を「金閣・銀閣につぐ銅閣だ」と嘯いていたとか。京都人は祇園閣を銅閣なんて誰も言いませんし、このエピソード自体、マイナーな京都トリビア的情報に限定されているようです。なによりここが金閣寺銀閣寺はもとより一般的な観光スポットにすらなっていないことからも、喜八郎の洒落は見事にすべってしまい、けったいな建物という評価が覆されてはいないようです。 しかし、ちょっと意外な共通点に気が…