まや・ゆたか(1969-)
本格ミステリ
京都大学工学部電気系学部卒業。 在学中に推理小説研究会に所属。そこで知り合った綾辻行人・法月綸太郎・島田荘司の推薦をうけ、1991年『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』(ISBN:4062632977)でデビューをはたす。
いい意味でも悪い意味でも個性的。他にない世界観で、カルト的人気を誇る。
島田荘司が命名。
*1:『メルカトルと美袋のための殺人』に収録
画像の転載、複製、改変等は禁止します。 本記事およびイラストは https://ameblo.jp/0831nuko/ および https://nukobook.com/ で掲載されているものです。 上記以外で記事やイラストを掲載しているサイトがありましたら、ご一報いただけますと幸いです。転載や引用につきましてはご連絡ください。 『メルカトル悪人狩り』 麻耶雄嵩 (著)講談社ノベルス のイラストブックレビューです。 傲岸不遜な「銘」探偵・メルカトル鮎。そんな彼の元に、有名な女性作家から調査依頼が。まるで殺人へのカウントダウンを示唆するように、トランプのカードが毎日1枚ずつ届くのだという。 nu…
ドグラ・マグラ(上) (角川文庫) [ 夢野 久作 ]価格: 572 円楽天で詳細を見る 【この文章には現代では相応しくない表現がありますが、原作の趣旨を生かすため、ご容赦下さい】 こんな作品が昭和10年に発刊されたのが驚きである。さすがに読んで頭がおかしくなることがなかったが、頭を抱え込んだ。大きな謎の中に小さな謎がいくつも詰め込まれていて、その謎が解き明かされることはない。そして簡単に解明させることを断固として拒否している。この収まりのつかない居心地の悪さは、何か大きなものを読み落としたかと何度も思わせ、その思いは今も続いている。 「ブウウーーーンンン」という不気味な音で始まる本作品。目覚…
9月に読んでからご紹介が遅れましたが、2021年のベスト・ミステリでしょう。 麻耶雄嵩『メルカトル悪人狩り』(講談社ノベルス、2021年) シリーズ前作『メルカトルかく語りき』に続いて、ひとり未踏の地を切り拓いています*1。 *1:本作を読んで最初に思い出したのは、綿矢りさ氏が『さよなら神様』に寄せた書評でした。この書評の「ひたひたと忍び寄る冷たい不協和音」、「黙々となにか不吉な事象を連ねている感じ」の2つのフレーズは、まさに麻耶ミステリの世界を的確に言い表したものです。
皆さん、普通のミステリ小説に満足していますか? 普通に人が死んで探偵が解決するタイプのミステリもいいが、もっとクセが欲しくないだろうか? そんな皆さんに今回ご紹介したいのは、クセがすごいミステリだ。もしかしたら、某千鳥の某ノブさんが読んだら「クセがすごいんじゃ」っていうかも知れないようなミステリだ(言ってないです)。 ミステリの既成概念にとらわれないような、問題作のミステリ小説を紹介したい。 『ドグラ・マグラ』、『黒死館殺人事件』、『虚無への供物』、『匣の中の失楽』の四大奇書はプレミアム殿堂入りしているので除外しています。悪しからず。
75.メルカトル悪人狩り(麻耶雄嵩/講談社) 総評:★★★★★ オススメ:期待を裏切らないメルシリーズ最新作。シリーズ未読でも読めるので、「なんじゃこりゃ」なミステリを読みたい方にはオススメです。短編集。
104.神様ゲーム/麻耶雄嵩 神様ゲーム (講談社文庫) 作者:麻耶雄嵩 発売日: 2015/10/09 メディア: Kindle版 自らを神様だと名乗る転校生の予言する通りに起こる事件に、主人公は疑心暗鬼になりながらも真実は何かを追い求める、麻耶雄嵩の「神様シリーズ」の第一作目となるミステリー。 アンチミステリ作品を数多く生み出す麻耶雄嵩さんのミステリー。可愛い表紙とは裏腹に内容はなかなかヘビー。 神降市に住む芳雄が通う小学校にある日、謎の転校生がやってくる。彼の名は鈴木太郎と言い、自分のことを神様だと自称する。 最初は信じていなかった主人公も、最中に街で起こっていた事件の犯人と思しき人物を…
58.あいにくの雨で(麻耶雄嵩/集英社) 総評:★★★★★オススメ:薄暗い青春ミステリとカタストロフを楽しみたい方へ。クリスマスにオススメです。
【喜べ】俺たちの・私たちの、麻耶先生がツイッターアカウントを開設されていました……… 麻耶雄嵩です。告知用アカウントとなりますのでそれ以外のことはほとんど呟かないと思いますが、よろしくお願いします — 麻耶雄嵩 (@mayayutaka2020) 2020年12月2日 いやいやいやいや、せめてアイコン画像設定しよう? でもこの硬派な感じが麻耶先生っぽいですね…かっこいい…しかし最初は普通になりすましアカウントかと思いましたよ…(諸先生方がフォローされているのを確認して多分公式だろうと判断しました) 自分はツイッターにミステリアカウントを作っておらず、情報収集は全然していないので、危うく見逃すと…
おはようございます、うどんです。 先日、麻耶雄嵩さんの「貴族探偵」を読み終えた。 読み終えてから知ったのですが、嵐の相葉雅紀さん主演でドラマ化していたらしい。 ドラマは見たことありませんが、小説は面白かったので、ドラマが好きだった人ならオススメだと思います。 【貴族探偵】/麻耶雄嵩 (集英社文庫) 貴族探偵【電子書籍】[ 麻耶雄嵩 ]価格: 605 円楽天で詳細を見る(5点満点) おもしろさ:★★★★ オススメ度:★★★★ 探偵の魅力:★★★★★あらすじ 信州の山荘で、鍵の掛かった密室状態の部屋から会社社長の遺体が発見された。自殺か、他殺か?捜査に乗り出した警察の前に、突如あらわれた男がいた。…
夏と冬の奏鳴曲 どうも、らきむぼんです。 完全に奇書紹介屋と化していましたが、久しぶりにミステリの紹介と考察・解説をしたいと思います。といっても奇書みたいなものですが…… x0raki.hatenablog.com 今回紹介するミステリは、麻耶雄嵩『夏と冬の奏鳴曲』です。こちらの作品は、僕の中でオールタイム・ベストの作品と言える作品です。 先日、僕の所属するミス研「社会人ミステリ研究会(通称シャカミス)」にて読書会があったので、シャカミスのブログにも同じ記事を出そうかなと思います。どちらで読んでいただいても大丈夫です。 途中で「ここからはネタバレ」という警告を出しますので、未読の方はその先は読…
84.ラミア虐殺(飛鳥部勝則/光文社) 総評:★★★★☆ オススメ:雪に閉ざされたクローズドサークルで引き起こされる連続殺人。ホラーサスペンス寄りのミステリが読みたい方へ。
医者行って「こんなのあたしの血圧じゃなあああい!」となりつつ一旦姫路へ。 ループバスで姫路文学館へ。 バスが混み混みで「ははぁんみんな山田風太郎だな?」と思ったが博物館で下りていく人多数。 展示は解らないが、ハンクラかフリマのイベントがあったみたいである。さて姫路文学館。北館と南館がある。 先ずは北館。 くるくる上りながら常設展示を観ていくのが面白い。 結構歩く事になりそうだ。 安藤忠雄の建築らしい。やっぱりな。 県立美術館よりは足に優しい感じがする。 姫路や其の周辺出身の文人が沢山居らっしゃると知る。 いずれ上田早夕里も並ぶんだろうか。 だといいな。更に通路を行くと「生誕100年記念 山田風…
麻耶雄嵩「神様ゲーム」読了!購入から2年ほど積んでいたが、ついに読めた。うーん、開始30ページ目くらいから急にギュンッとおもしろくなって、最後まで一気に読めちゃった。そして、「えっ………」が読み終わっての素直な感想である。とにかく最後が…すっきりしない。こういうのが好きな人もいると思うけど、自分は白黒はっきり答えが知りたいタイプみたい。本を閉じてすぐにネットで考察を漁ったわ。父親が共犯者だ、というとこまではミチルちゃん死後の芳雄と鈴木くんの会話あたりで推理できたが、ならばなぜ燃えた(天誅を受けた?)のが母親だったのか。ミチルちゃんへの天誅しか見ていないので、それに倣えば、天誅は直接的に共犯者に…
麻耶雄嵩『貴族探偵対女探偵』(集英社文庫、2016年)麻耶雄嵩のシリーズモノ。前作『貴族探偵』と異なり、全編推理合戦もの(同じ事実関係のもとに複数の解決が示された後、真の解決が示される、推理小説のパターン)になっていて、(この趣向が好きな身としては)なかなか読み応えのある短編集でした。が、なんというかもったいないというか。 ベストは「なおあまりある」。 2022年、10冊目。 https://amzn.to/3w7ebIR
最近、部屋の本が増えるスピードが指数関数的に速くなっている。 本棚からキャパシティという概念が失われて久しい。もう本棚のキャパシティを無視して本を買っている。 読書好きは、本棚ではないところに本を積み出したら一人前って誰かが言っていた気がする(言ってない)。 いつか本に圧迫されて死んでしまうのかもしれない。今の気持ちは、バイバインの効果で増える栗まんじゅうに怯えるのび太くんのようだ。 そんなわけで、4月も大量の本を買ってしまった。いつものことである。 上に写真を載せているけれども、これはほんの一部だ。まだまだ4月に買った本はたくさんある。普段はあんまりしないのだけれど、買ったほんの一部を紹介し…
アンソロジー「驚愕遊園地 最新ベスト・ミステリー」を読みました。 驚愕遊園地 最新ベスト・ミステリー 光文社 Amazon 2013年出版の本なので、今から見れば『最新』でもないけれど。 ラインナップが豪華で読む前からワクワクしてしまった。赤川次郎、芦辺拓、有栖川有栖、伊与原新、大崎梢、恩田陸、大門剛明、辻村深月、鳥飼否宇、西澤保彦、初野晴、東川篤哉、東野圭吾、麻耶雄嵩、米澤穂信。 でもこの本、なかなか読み終わらなかった! 久しぶりに二段組になっている本を読んだからなのか、ページ数が多かったからなのか、新学期関連で日常がバタバタしていたからなのか…。2週間近くかかったかも。 読み始めてすぐに吸…
83.硝子の塔の殺人(知念 実希人/実業之日本社) 総評:★★★★☆オススメ:theドンデン返しミステリ。クローズドサークル、怪しい館、密室殺人が好きなあなたへ。
81.魍魎の匣(京極 夏彦/講談社) 総評:★★★★☆ オススメ:姑獲鳥の夏を読んだ貴方へ。
【前置き】 オールタイム・ベストのミステリって数年に1冊読めるかどうかだからオールタイム・ベストなんじゃないんですか? そして必然的にその人の人生か価値観をさらけ出す回答になるはずでは?
『新本格ミステリはどのようにして生まれたきたのか? 編集者宇山日出臣追悼文集』(太田克史編/星海社)が、3月31日に発売されました。【新刊案内】『新本格ミステリはどのようにして生まれてきたのか? 編集者宇山日出臣追悼文集』情報公開しました。講談社ノベルスを牙城とし、新本格ミステリ・ムーブメントを牽引した名編集者・宇山日出臣が成し遂げた仕事の世界を、錚々たる関係者が今ふたたび照射する!https://t.co/sMJvb4L7Il pic.twitter.com/u4bsY7tp9Y— 星海社 (@seikaisha) 2022年3月2日 上記ツイートの通り、追悼文を寄せたのは錚々たる顔ぶれであ…
シャカミス競作感想 自分では作品書けなかったので感想だけは頑張って書かせてもらいます......。 各作品ネタバレあるため、私のこの拙い感想文は各作者様による本編を読了後にお読みいただければ幸いです。 あと、作者当ての推理過程も細かく書いてあるのでみなさんパクらないでくださいね! 1.『限りなくゼロに近い神様』占無回 あらすじ欄で「新人」と「先陣」で韻を踏んでたり、英題に細かい遊びが仕込まれていたりと読む前からちょっとしたジャブを仕掛けてくる感じ好きです。 ガッと引き込む感じではないけど、文章が丁寧で映像的なのですぅ〜っと世界観に入り込んでいけるので文章上手いなぁと思います。 幻想小説のような…
おはようございます。現在8時30分。昨夜は食欲なかったですがさすがに何か食わないとヤバいということで、松屋のゴロゴロチキンカレーを食べました。何度目の復活か分かんないですがこれ本当に美味い。調子に乗って半額寿司もデザート代わりに買って食べました。 その後はアメトーク見たかったんですがすぐ寝てしまいました。結局昨日一日で22時間以上寝ていたことになります。そのくせ夜眠れないなんてことも一切なく、横になったら即朝まで爆睡。一体俺の体はどうなってるんでしょうか。 ただ、さすがに二日で30時間以上も寝ると少しは心身の調子もマシになってきた気もします。お湯を沸かすことすらできなかった昨日と比べると、今日…
最近また小説を読むようになった 新しい作者との出会いも含めて後で自分がいつどんな本を読んでいたのか忘れないように日記として残すことにした 本日は記念すべき第一弾 麻耶雄嵩さんの書かれた「隻眼の少女」 この本は実は入社して二ヶ月目に買った本 半年以上経ってから読み終わった 買った理由はタイトルに惹かれたから 分量が結構あって読むまでに時間を要した でも読んでみたらものすごく面白かった 内容としてはネタバレになるからあまり書かないが 自殺をしようとしていた主人公が隻眼の少女と出会う 彼女は探偵であると豪語した そして数日後、自殺を図る前に事件が起こる 15歳の少女の首が切断された遺体がみつかる そ…
1.『モルグ街の殺人』(エドガー・アラン・ポー) 最初の名探偵デュパン。現実にいそうな名探偵は、推理小説というジャンルがなかった時代に現れたこの男だけ!? ニューヨークでじっさいに起きた殺人事件にデュパンが挑む「マリー・ロジェの謎」、歴史ある換字式暗号を解体してしまう「黄金虫」などもあわせて。 2.『緋色の研究』(アーサー・コナン・ドイル) 魅力ある変人探偵を見たいなら、やはり我らがシャーロック・ホームズ。この男、地球が平面であっても構わないと思っている。 3.『ブラウン神父の童心』(G・K・チェスタートン) カトリックの神父がじつはいちばん論理的? 偽善や絵空事が嫌いというひとこそブラウン神…