「はい。お待たせ。」 ここは近所で有名なラーメン屋。 そして大好きだった先輩のラーメン屋。 「いただきます!」 ズルルゥッ…(うまっ!) その夜、先輩の家にお邪魔した。 奥さんと子ども。 3人で暮らす小さなアパートだった。 少しお酒が入ったころ 「先輩なんか元気ないですね?」 「そうか。そんなこと…」 「実はね。チェーン展開の話がきてるの。」 歯切れの悪い先輩。 はっきりした口調の奥さん。 「先輩!いい話じゃないですか!?」 「バカ!俺にはもう家族がいんだ。 昔みたいに無茶できないだろ。 こいつら守らなきゃ」 その言葉に被せるように奥さんが言った。 「なに人のせいにしてんのよ! 私は無茶しても…