芥川龍之介作「鼠小僧治郎吉」という短編を読んだ。 ストーリー自体は特に際立った何かがあるのではなく、この短編小説での一番の面白さは江戸弁の掛け合い。 セリフの江戸弁に強烈な魅力があった。噺家が古典落語を語るような風情。 江戸弁のセリフの応酬がテンポよくリズミカルで江戸弁独特の比喩が盛り込まれており、語彙も豊かで一度はこんなセリフを言ってみたいと思えるようなかっこよさ。 少し共通点を感じたのは仁義なき戦いの広島弁のセリフ。 男気溢れるやくざな掛け合いは広島弁でないと表現できない。 あの映画の魅力もやはり広島弁の掛け合いなしには成り立たないだろう。 そういう意味で喧嘩っ早い江戸っ子もやはり江戸弁で…