国文学者。1963年、千葉県生まれ。 京都大学大学院文学研究科博士課程中退。 奈良女子大学文学部助教授、国文学研究資料館文献資料部助教授などを経て、現在、東京大学大学院総合文化研究科助教授。 著書、『日本を意識する』(編著、講談社)、『注釈漂荒紀事』(共編著、京都大学人文科学研究所)など。 『漢文脈の近代 ―― 清末=明治の文学圏』(名古屋大学出版会)でサントリー学芸賞受賞。
(昨年暮れに出した漢詩集の後記) 著者が自選できればよかったのだが、それができかねるため、代わって漢俳を含む125首を選んだ。短歌や俳句なら多少はよしあしもわかるけれど、漢詩の巧拙はてんでわからないので、題材で選んだ。京都や箱根のような誰もが詠む観光地での作や、テレビで見たことの感想などは除いて、自己実体験の詩を優先した。それらを並べると、はからずも漢詩による履歴書、自伝のようになり、また近在の名所案内風のものにもなっていて、それとしてなかなかおもしろいものであろうと思う。鑑賞の対象として見れば月並詩なのかもしれず、たしかに県出身の元首相を蛟龍云々などいかにも紋切型である。だが、それで全くかま…
はじめに 背景 国語改革 歴史、アイデンティティ、言語表記 正統ということ 漢字 漢字全廃のための字数制限 表内/表外という構図 仮名遣い 仮名で語を書く 変わりゆく音、変わらない文字 つづりと時間 「日出づる国」か「日出ずる国」か まとめ 言葉や文字などどうでもいい 本ブログの仮名遣いについて 参考文献 はじめに 本記事は現在の日本語表記のありかたを決定した国語改革について論じたものです。 第一章「背景」では、改革の具体的な内容を理解するために必要な前提を確認します。第二章「漢字」では、漢字廃止運動と簡略化政策について、第三章「仮名遣い」では、仮名遣いの歴史と表音化政策について、それぞれ解説…
あれだけ苦手だった暑さが多少許せるようになった。というより、冷房が堪える年齢になったのだ。あと一つ、高台の山際に引越したので、夏の盛りでも玄関と窓を開けていれば(雨さえ降っていなければ)、けっこうしのぎやすいという事情にもよる。えらく叙情的な題ですが、要は早くバルコニーにプール持ち出してひとりBBQしたいなあ、ということです。 さて、生り月ということばはないけれど、そう言いたくなるくらい今回は豊作。 ○鷲見洋一『編集者ディドロ 仲間と歩く『百科全書』の森』(平凡社)……895ページもあるが一度も難渋せずに読み了えた。自慢ではなくて、フランス十八世紀の事情に暗くても十二分に面白く読める快著です。…
東京近辺で2022年6月に開かれる講演・講座をメモします。開催日順。詳細は各主催者または会場にお尋ねください。(6/1更新) 仏教文化研究所公開講座「仏教における女性」第1回 日時:6/4 14:30 会場:武蔵野大学雪頂講堂 講師:ダシュ・ショバ・ラニ 演題:仏陀と仏母 主催:武蔵野大学仏教文化研究所 「鴨台祭」イベント 日時:6/5 13:00 会場:大正大学8号館1階ラーニングコモンズ 講師:木内堯大・佐藤堅正・長澤昌幸「仏教文化遺産を学ぶ」 久保沙里菜「仏教文化遺産を語る」 主催:大正大学(詳細) 川崎大師仏教文化講座「弘法大師撰『性霊集』を読む②」 日時:6/12 14:00 会場:…