漢楚の戦い―というより、日本では圧倒的に「項羽と劉邦」といったほうが通りがいいよね。それを描く川原正敏の「龍帥の翼」が佳境に入っています。 川原作品であるから、期待されて無理に織り込まれたのか、それとも作者が積極的にそうしたのか…架空設定の「個人戦闘では項羽級の武芸者」というキャラの存在が、巧く生きているか、それとも邪魔になっているかは好み次第という感じでしょうか。 かなり、歴史好きの血が騒いだのか、文献上の記録に沿って描いているので、いっそそっちに振り切っても良かったのでは?とも思うが、逆にそれだとただの絵ときになり、誰が描いても同じ話に成りかねない。むつかしいところですな。 それはともかく…