息子のウェッピィも、母を失った辛かった遠い昔を思い出す。「ママ、死んじゃ嫌だよ。今度パパと三人でピクニックに行くって約束したでしょ?嫌だよお」 あの日、ずっと父親のルマーロに抱かれていた。(パパだって辛かったよね。でも、何も言わずに、ずっと僕を抱きしめていてくれた。パパ、ありがとう) ルマーロの脳内に再び辛い過去が思い出させられた。妻を失った日の事が鮮明に描かれる。どんな薬草をもってしても、妻の病は治せなかった。あの日から、ルマーロは薬草を研究するようになった。 だが、薬草で治せる病は限られている。思い知らされた。自分に出来る事なんて、たかが知れている。そう思っていたが、毎日息子の足首に薬草を…