高野和明「13階段」 書店にて高野和明さんの小説を手に取ったのはここ十数年以来。 中学時代の習い事「塾」で、ある1人の講師が「この本は面白いから読むといいよ」と軽快なノリで、小説を片手にページをめくりながら「500ページあるけどね」と付け加えた。 集団授業という形態を採用していた教室には20,30名の生徒が一斉にその話を聞いており、どのような表情していたのか、関心を寄せているものはいたのか、いなかったのか、その後、どれだけの生徒が講師の影響を受けて「幽霊人命救助隊」を読み進めたのかはわからない。 しかし、私は紛れもなくカウントされる生徒となっていた。 当時は、「読書など何が楽しいのか、本など読…