元禄10年2月21日。夜、くらがり森のあたりで魚住慶右衛門と馬淵甚左衛門・角田平左衛門が喧嘩をする。馬淵は即座に切り殺され、角田は傷を負う。角田は筑後守作事奉行平左衛門父伊兵衛のところまで駕籠で戻り、そこから立ち退く。平左衛門は逃げる際に肥壺へ落ち、転び倒れながら父の元へと帰る。魚住も立ち退く。
元禄10年2月21日。暖かく、風が吹く。
元禄10年2月21日。将軍は女御入内の祝に本多中務太輔を京に上らせる。この日、熱田に泊る。近頃万松寺に盗人が入り、高原院(義直正室春姫)の御廟を破り、戸帳(廟などの小さな覆い)の錦を盗んで逃げ去る。