宝永3年6月29日。銀吹き直しの廻文が来る。文左衛門のこの夏の麦の値段は長良が1石2斗8升、野崎が1石2斗5升。免番値段(藩の公定価格)は1石2斗。近頃、なやうら(納屋裏)で密夫の罪で庄屋預りの男が番の目を盗んで逃げ出し、江川でおぼれて死ぬ。近頃の話では朝鮮人来朝者は太閤の代から7代まで約束であり、その後は来朝しないことになっていた。このため宗対馬守と松平越中守を上使として朝鮮に遣わし、永年来朝することになったと云々。作り話である近頃の噂話。出羽国由里というところのぬけぶみ(?)の郷大塚村に大庄屋横山文左衛門という者がいた。去る酉年8月3日に病死した。今年戌年3月3日に六郷伊賀守領で網にかかっ…