正徳1年9月19日。沢井仁左衛門殿はこの日寄合に出た。帰りの途中で妾が安産したことを聞いた。助左衛門控屋敷へ戻り、いつもは奥へ入るのにこの日は直ぐに座敷へ入った。先に人を走らせ、用務の書付が書くので座を掃除しておくようにと云々。戸を閉めてしばらくひっそりしていた。僕が怪しんで戸を開けて見ると腹を切って死んでいた。昨年この妾が男の子を産んだ時、本妻と祖父既白などとかなり争いとなった。それでも妾を追い出さずに置いておいたが、この日にまた子どもを産んだ。その間いろいろなことがあったのか。