封切り二日目。 席数142の【SCREEN1】の入りは七割ほど。 客層は高齢者が多く、自分も含め『小野田寛郎』の帰還を リアルタイムで知っている世代と見受けられる。 このストーリーには当然、前段がある。 終戦から数十年を経ても残留日本兵が潜伏しているとの噂や報道はちらほらと有った。そんな中、『横井庄一』が1972年にグアム島で「発見」される。実に戦後27年目のこと。子供心にも随分と驚いた記憶もありつつ痩せ細ったその姿は幽鬼を思わせるようであった。 次いでその二年後、『小野田寛郎』がフィリピン・ルバング島で「発見」されるのだが、我々を更に驚かせたのは、銃器の手入れがちゃんとされており、今でも使え…