戦闘の途中で味方の魔力が尽きかけたとき、後ろから静かに補充が入る。レントが授かったユニークギフト《魔蔵庫》は、自分の魔力を仲間へ貸し与えるという、ひどく地味な力だ。おかげで魔術士はもう一発撃てるし、剣士は前線に立ち続けられるし、回復士は塞ぎきれなかった傷にもう一度手を伸ばせる。 ただ、その戦いが終わったあと記録に残るのは三人のほうになる。魔物を斬ったのは剣士で、火力を出したのは魔術士で、全員を立て直したのは回復士だ。供給していた人間の仕事は、成果の欄に書きようがない。 パーティー『断空の剣』はBランクまで駆け上がり、若手の有力株として名前が知られていく。一方、魔力を出す側に回り続けたレントだけ…