国家の意思は戦争で行使。 戦争論は言っている。 戦争はやってはいけないというが戦争論はある。 戦争論は、1832年にプロイセンの軍人だったクラウゼヴィッツが、ナポレオン以降の近代戦争というものを初めて体系的に研究し、戦争と政治の関わりを包括的・体系的に論述したものである。 世界的にも東洋における孫子の兵法に並ぶ古典的な名著である。 「百戦百勝は善の善なるものにあらず。戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり」という孫子の兵法の一節になじんでいる我々は、ロシア軍が民間人を無差別に攻撃したり、都市を徹底的に破壊する様子に違和感を覚える。 しかし、『戦争論』は、戦争の本質は、敵に我々の意思を押し…