かつての日本国有鉄道(国鉄)が1967年より製造を開始した581系に出自を置く電車。
世界初の昼夜兼行寝台電車として登場。従来の国鉄特急色ではなくクリームと濃いブルーを配するのが特徴。
最初に投入された列車から「月光形」と呼称された。
現在はJR東日本・JR西日本に残存しているが、製造当時の原色デザインを留めているのはJR東日本在籍車のみ。
長らく定期列車で唯一使用されてきた大阪〜新潟間の急行「きたぐに」も、2012年3月17日のJRグループダイヤ改正をもって臨時列車に格下げとなり、583系を使用する定期列車がなくなった。ただ、臨時列車として仙台〜東京間(京葉線回り)の夜行快速「ムーンライト東京」「ムーンライト仙台」号、その他団体列車などに利用されることがある。また、過去には首都圏や京阪神方面から東北や信越方面へのスキー客輸送用列車として利用されることもあった(「シュプール」号など)他、青函トンネル開業に伴う津軽線の部分電化により一部電車化された青森〜蟹田間の区間運転列車に間合い使用されたこともあった(グリーン車も営業していた)。
かつて、昼間は座席特急、夜間は寝台特急と日本のバブル期を支えた汎用車だったが、新幹線の路線網の拡大が進んだことや、485系電車(特に昼行列車)・24系客車・14系客車への置き換えの進行、寝台が3段式であったこと(例外としてパンタグラフの直下(「パンシタ」)は機器設置の都合で部分的に2段になっていた)、座席特急で利用する際には構造上ボックスシートとなってしまうことも災いして徐々に活用範囲を縮めていく憂き目に遭った。定期列車の頃の「きたぐに」は編成の一部車両について寝台を組み立てず、ボックスシートを普通車自由席として使用していた。