稽古始めの日 15世紀前半(室町時代)に能の始祖と言われている世阿弥は『風姿花伝』という能の理論書を著した。 現代に伝わる能や歌舞伎の根本をまとめた書とされ、今も教え伝えられているが、その冒頭に「この芸において、おほかた、七歳を以て初めとす」と記されている。この記述を意訳すると「能の芸を習得し始めるには7歳の6月6日から始めるとよい」ということになる。 数え年の7歳は満6歳のこと。これが今の習い事は6歳の6月6日に始めるといいという風習につながっているわけだ。 この「稽古始め」という風習を「何かを始める日」と捉えてみるとどうなるだろう。 何も新しい勉強でなくともいい。何かに挑戦しようと決めるこ…