先週、平安時代から室町時代までの日本絵画、やまと絵の名品を堪能。今週はさらに時代が下り、江戸時代の美術を楽しむべく、久しぶりに出光美術館を訪ねる。 今回の「江戸時代の美術—『軽み』の誕生」展は、狩野派の盟主、狩野探幽が提唱した「つまらない」絵をテーマにした展覧会である。「面白くない」と言う意味ではない。「詰まらない」、英語にすると unfilled。要するに、余白を残す美術である。何も描かない余白に詩情を込める「余白の美」である。 ウェブサイトおよびパンフレットから展覧会の趣旨を引用する。 江戸時代の画壇における狩野派の地位を盤石なものにした狩野探幽(1602 - 74)は、後水尾天皇に対して…