自称先進国は、ますますテクノクラートと経済成長にそそのかされて、隘路に邁進していく。来し方をふり返らずして、なにがホモ・サピエンスなのだろうか? 21世紀は情報テクノロジーを原動力にする経済競争力の獲得によって、政治的な不安定さを増やすのが目に見えているではないか。 たとえば、政治のバッファーとしての中間層であるホワイトカラーは生成系AIにより、職を奪われるだろう。 リスキリングはほぼ気休めにしかならない。AIの方が安くて速いからだ。 ひとつのアネクドートを引用しておこう。 ヘンリー・フォード二世と、全米自動車労働組合の伝説的な委員長ウオルター・ルーサーが、オートメーション化されたばかりの自動…