一条真也です。『妖怪の誕生』廣田龍平著(青弓社)を紹介します。「超自然と怪奇的自然の存在論的歴史人類学」というサブタイトルがついています。著者は、1983年生まれ。法政大学ほか非常勤講師。専攻は文化人類学、民俗学。訳書にマイケル・ディラン・フォスター『日本妖怪考――百鬼夜行から水木しげるまで』(森話社)など。 本書のカバー前そでには、「カッパ、カマイタチ、くねくね……私たちはなぜ、それらを妖怪と呼ぶことができるのか。18世紀末から現代までの自然/超自然、宗教、近代/非近代をめぐる議論、日本の知識人の言説や思想、学知を渉猟して、現代の妖怪概念が生成してきた過程を丁寧に分析する。妖怪と妖怪研究の関…