墨染寺(ぼくせんじ)は、山号を深草山(じんそうざん)と号する日蓮宗の寺院である。 もとは清和天皇の貞観16年(874年)に建立された貞観寺の旧蹟で、その後次第に衰微していったが、天正年間(16世紀後半)、増長院日秀(ぞうちょういん にっしゅう)上人が豊臣秀吉公の知遇を得、また秀吉公の姉・瑞龍尼(じゅいりゅうに)公の篤い帰依を受けた事により、此の地を日蓮宗の寺として再興することを許され、墨染桜寺(ぼくせんおうじ)として再興させた。 境内には、墨染(すみぞめ)の地名の由来となった墨染桜(すみぞめざくら)が植えられている。この桜の由来は平安時代まで遡り、時の太政大臣 藤原昭宣公が葬られた際、その死を…