はじめに 本稿の目的は、実務において重要と思われる、最近のCAFC判決 Weber, Inc. v. Provisur Technologies, Inc. (Fed. Cir. Feb. 8, 2024)*1の紹介である。 本件では、旧特許法(Pre-AIA 35 USC)102条の「printed publication」に該当するか否かが、争点の一つとなった。以下、この争点に絞って述べる。 経緯と結論 原告は、食品工場などで使われる、大型のスライサーを販売している企業である。 原告は、(競合である)被告から、2件の特許権に基づく特許権侵害訴訟を提起されたため、この2件の特許権に係る特許が…