20代の初め頃、道北地方にある故郷の隣町に両親と住んでいたが、そのときに聴いた話だ。自分の生まれ故郷と、その隣町の間に鉄道を通そうという話があり、実際に工事をしていたことがあった。最終的には、未完成で終わった。 そのときに、その工事の測量のアルバイトをしていたオバサンが「その鉄道を通す崖のところに、何個か洞窟が見つかってね。人が数人、目立たないように住んでいた跡があったんだよ」と教えてくれた。この場所は片側が崖で、反対側は川になっていた。 それからしばらくして、その話を町内の高齢の知人に話していたら、その人が「それは、当時の網走刑務所から脱走して来た囚人だよ」と言う。そして、「その囚人たちは、…